メンタル・イデア・ラボ代表のスミです。本城に無理を言って、今回は私がコラムを書きます(笑)。
【サラリーマンは実は偉人】、今では会社員、ビジネスマン、ビジネスパーソンという言い方が主流かもしれませんね。サラリーマンは男性的なイメージがあるし、古い表現というイメージがあると思います。また英語ではなく和製英語であることも、グローバルな今の時代に相応しくなく、また仕事のキャリアを積む女性が増えたこともあると思います。一方で、
新橋と言えばサラリーマンの聖地
と言われています。ビジネスマンの聖地、会社員の聖地という表現は、ほとんど耳にしません。女性の街というイメージは昔からなく、いわゆる『オジサン』が集う街という特殊なイメージが強いゆえに、新橋はあえて『サラリーマンの聖地』と言われているのだろうと、勝手に思っています。確かに新橋はオジサンが多いです(笑)。
ここで、あえてサラリーマン(女性会社員も含む)という表現を使うのは、今も世間に根強く<サラリーマン=凡人>というイメージがあるのではないか、と思うからです。私も若い頃は凡人がなるもの、と勝手に思っていました。しかし、年齢を重ねるにつれ、また社会に出て経験を積むにつれ、どうやらサラリーマンほど凄い人達はいないのではないか?と思えてきたのです。
今でこそ若くして起業し、成功を収めている人もいて、彼らも確かに凄いと思います。しかし、彼らは特権があります。それはその組織の中で『経営者』という権力者である、ということです。権力者はある程度自分で物事を判断し、決定することができます。つまり、組織の中では誰の顔色も気にする必要はないのです(大企業となるとそうも言ってられないかもしれませんが)。これは組織人として物凄い特権です。社長がオーナーでもある企業の意思決定が早いのは、社長がその特権をフル活用できる立場だから、とも言えます。
しかし、サラリーマンは真逆の立ち位置にいます。上司はもちろん、同僚や部下にまでいちいち顔色というか、気にかけなくてはいけません。自分の一存で決定できるのは少なく且つ限られています。つまり、
サラリーマンは人間関係に神経を使いまくる人達、
と言っても過言ではありません。人間関係に神経を使いまくる、というだけでストレスは相当なものだろうと容易に想像できます。その中で日々晒されていると思うと、それだけで凄いと思います。
忍耐力、コミュニケーション力があってもなくてもサラリーマンをしなければならないという立場。息苦しそうです・・・。それでも彼らは日々曲がりなりにも仕事をし、生きています。私の父は70代後半で既に定年退職していますが、年功序列、終身雇用という日本型経営にどっぷり浸かり、その恩恵も受け、時に清濁併せ吞み、家族のためを思いながら、一度も転職することなく大学を卒業して定年まで勤め上げました。今の私からすれば頭が下がる思いです。これはもう一種の才能ではないか、と思うほどです。
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私の父のように現在70代くらいの人にとっては、それが当たり前の時代でした。日本で転職が当たり前になったのは、ここ20年くらいの話だろうと思います。転職はできる環境になったとはいえ、組織で働く以上どこに就職しようとサラリーマンです。人間関係に神経を使いまくることに変わりはありません。それを続けることは
経営者とはまた次元の違う物凄い才能ではなかろうか、
と思うのです。私からすればもはや凡人ではないということです。メンタルを病み、残念ながら休職、退職してしまっている人は才能がない、ということではありません。そういう人達は、たまたま才能を上手く活かし切れていないに過ぎず、才能自体は持ち合わせていると思っています。才能は自分ではわからないものです。(あなたには)こういう才能がある、と言えるのは他者であり自分ではありません。才能があると言われている人は内心では迷い、もがき、悩み、時に苦しんでいることが多いのではないでしょうか。
そう考えると、あれこれ迷ったり、悩んだりすることは生きている以上付いて回るもので、才能があるゆえ、とも言えると思います。ロボットは機械なので悩んだり、迷ったりしないので才能はないと言えます。一方でそういう才能はないものの高性能なロボットを作っているのは、他ならぬサラリーマン達だ、という事実に目を向けたいと思うのです。
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経営者も経営者としての才能があることは認めます。しかし、その下で働くサラリーマンがいなければ事業は成り立たないことも事実です。つまり、どちらかが偉い、凄いということはなく、立場の差こそあれ、お互いさまな存在だと思うのです。サラリーマンだからといって、自らを卑下することもなければ、凄いと思うこともないし、経営者も経営者だからといって特別凄いも何もないのではないかと思います。むしろ経営者側に成金趣味を露骨に出し、メディアに出たりしている人がいて民度、人格を疑います。サラリーマンにそういう人達はいません。せいぜい飲み屋や後輩、親しい友人に対して自慢し、他者からは器が小さいと囁かれるのが関の山です。そういう人達に才能はないとは言いませんが、サラリーマンでも民度や人格、人望は成金趣味の経営者と同根な残念な人達も確かいにいます。
ストレスに晒されながら組織でいかなる地位に就こうとも決して驕らず、日々粛々と仕事をし、真面目に日常を生きているサラリーマンこそ、よっぽど人格者ではないだろうかと思います。特に飛び抜けたこともなく、別段高給取りでもない、しかし、きちんと仕事をこなし、人間関係に気を遣って毎日を生きているサラリーマン。こうして書いてみると、愛しささえ覚えます。そういうサラリーマンが日本経済の一端を担い、この国が成り立っていると思うと、本当に偉人だと思わずにはいられません。
そういう意味では、私はサラリーマンの才能は持ち合わせていないのかもしれません。過去に二度、会社をクビになったことがあります。しかし食べていかなけれななりません。あるご縁で独立という道を選んで今に至っている次第ですが、なかなか茨の道ですね(笑)。しかしこれも何か意味があると思い、歩んでいこうと思っています。
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