他者に必要とされる必要

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

突然何やらこんがらがりそうなタイトルですが・・・今回はまたしても【共依存】についてお話ししようと思います。

このコラムでも以前に自己肯定感・自己有用性・承認欲求については書いています。

今回の“他者に必要とされる必要”ですが、一歩間違うと底なし沼に足を踏み入れたかのようなズブズブな共依存を生み出す、ということをお話しします。

ご主人(奥さん)にモラハラを繰り返され、心身ズタボロに傷つけられても「あんな人(妻)だけど、あの人(彼女)をわかってあげられるのはワタシしかいないから」と側を離れない奥さん(ご主人)。アルコールで他者に迷惑をかけたり、警察沙汰にまでなっているのに「彼(彼女)はワタシ(オレ)を必要としているから」と別れないカップル。「いつまでも子供で、ワタシがいないとダメなんですよ、ウチの息子(娘)」と50歳を超えた中年息子(娘)に目を細める年老いた母親(父親)。

同じ構図です。どんなにズタボロに傷ついても、ご主人(奥さん)に必要とされていることで、自分の価値を見出そうとする奥さん(ご主人)。自分が彼(彼女)の支えにならなければ、に見せかけて、彼(彼女)から必要とされることで自分を保ち、自己肯定感を上げようとするパートナー。「困った、困った」と言いながら世話を焼き、50歳の中年息子(娘)から離れられなくしている(無意識)母親(父親)。

  • 必要とされたい。
  • 必要とされなければ、自分で自分を肯定的に認めることができない。
  • 必要とされることでのみ、自己有用感や承認欲求が満たされ満足する。
  • 必要とされなければ、自分を価値がない人間だと思い込む。

共依存とは歪な支配関係だと以前お話ししました。

また、相手を過剰にサポートし相手の言うことを聞き、言いなりになる側を“共依存”イネイブラーと呼びます。イネイブラーの心理には特徴があります。

不安が強く自己肯定感が低い。自己の過小評価により他者に認められることでしか満足を得られず、好意を繋ぎ止めようと必死になり、自己犠牲を伴い、献身的に支えようとする。

自分にポジティブなこと(自己有用感や承認欲求を満たされる“満足感”)を与えてくれる人に嫌われないように、過剰に献身的になるのです。

一見、イネイブラー(過剰支援する側)が支配されているように見えますが、被共依存者(前記だとモラハラなご主人(奥さん)、アルコール依存のパートナー、中年息子(娘)溺愛で世話焼きの母親(父親))は献身的に支えるイネイブラーがいなければ、生きられなくなってしまい、結果、被共依存者もイネイブラーに依存していくことになります。

イネイブラーが先回りして過度な支援をし助けるため、被共依存者は居心地がよく、問題解決に向かうどころか望まない行動が続いたり、増加していく傾向があります。

共存は共に助け合い、支え合う健全な関係ですが、共依存は歪で病的な関係です。

自分と他者との関わり、関係性を一歩退いたところから眺め、【共依存になっていないか】を確認してみるのもよいでしょう。

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時間に追われた状態をリセットする大切さ

メンタル・イデア・ラボ、AEのスミです。

一昨日23日は秋分の日でお彼岸でした。

お彼岸には実家へ行き、祖父母と叔父の墓参へ行くことが私の恒例となっています。

一昨日もそのようにするつもりでした。でも、なぜかその日に限って体に力が入らず、ちょっと重い感覚があり、実家へ行くことが精一杯でした。

実家で少し遅い昼食を摂り、その後墓参へ行く予定が、どうにもこうにも体が重く、墓参へ行く気にはどうしてもなれませんでした。

風邪のダルさではありません。気分的なことからくる重さでした。寝不足かな、と思いましたが、前夜そんなに夜更かしをしたわけではなかったので、ちょっと原因が不明でした。

結局墓参には行きませんでした。両親には申し訳ないと思いましたが、気持ちと体が重く、力が湧かず、何もする気がおきない状態でした。

思考することすら面倒で、無気力のような状態でした。特に何かあったわけではありませんが、思い当たるとすれば、ここ10日程度、自分だけの時間が持てていませんでした。常に予定があり、それに追われた日々だった気がします。

休みの時も予定が入っていたりで、純粋にオフという日はありませんでした。その結果、家のことを後回しにしていました。生活リズムが予定によってちょっと狂わされたことが原因だったかもしれません。確かにここ数日、予定をこなすことに時間を取られ、自宅で思うように過ごせていなかったと思います。

それが一昨日、急に何かの糸が切れたように“無気力な状態”に襲われたのかもしれません。

個人差があると思いますが、私の場合、適度なオフがなければ体が重くなり無気力になってしまうようです。生来最もストレスを感じる『時間に追われること』、それが数日間続いたことによる精神疲労だったのかもしれません。

私にとってプレイベートにおいても、何も予定を入れない完全オフの日を設けないと、時間に追われた状態をリセットできないことを、改めて知った次第です。

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腑に落ちない

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

今回は心理学のお話から離れて、世間話のような内容です。主観的なことなので、読み物としてサラッと読んでいただければと思います。

日本人はスポーツ好きな国民ではないでしょうか。

オリンピックだ、野球だサッカーだ、バレーボールだラグビーだと、日本がいいところまで行けそうで話題になると、“にわか”が湧いて出るくらいにスポーツ好きな国民だと思っています。

私はスポーツ全般にまったく関心がないので、観戦にはもちろん行かず、テレビでも観ません。ニュースでしつっこくスポーツ関連をやっていると、絶対に消すかチャンネルを変えるくらいに興味がありません。

どこが勝とうと負けようと、それすら興味がないため、どれだけ周り中が盛り上がっていても応援もしません。

結果、非国民扱いされます(笑)

ただ、スポーツに関心がないだけで、ローザンヌ国際バレエコンクールをはじめ、バレエコンクールやショパンコンクールなどさまざまなピアノコンクールは常にチェックしています。クラシックコンサートや能、狂言など伝統芸能にも興味があるので、情報収集も欠かしません。

メディアがこぞって取り上げるのはスポーツ(目立つ競技)ばかりで、興味がないと言うと非国民、変わってる扱いされるのが腑に落ちません。

興味・関心のベクトルが運動系か芸術系かの違い、それだけなのに『ワールドカップどうでもいい』だけで非国民と言われるのが納得いかない今日この頃です。

別にご贔屓球団をけなしているわけでも、日本負けろと思っているわけでも、まして言っているわけでもないのに・・・。ひたすら『どうでもいい』だけなのに不思議・・・。

多様性、認めましょうよ(笑)

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セルフ認知再構成法にチャレンジしてみましょう【3】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

今回はセルフ認知再構成法の具体例を書いていきます。

私の場合で説明します。

実際に息子が小4の時にあった出来事です。

前提→確定診断が下り、主治医から診断書と意見書(WISC結果もあり)があるにも関わらず、当時通学していた校長がなかなか教育委員会の判定員に繋がないことで通級が叶わず、面談の度にイライラしていました。

※通級へ通わせるためには、公立の場合、在学している学校長がその必要性を認め、教育委員会の判定員に打診することが制度となっている。したがって、保護者は学校長と相談し交渉することが必須となる。

(1)状況
何度目かの校長面談で、またしても「大丈夫ですよ、私たちは教育のプロですし、みんな無事に卒業して中学に進学してますから」「意見書とテスト結果持参してるので見ていただけますか?」「いやテスト結果なんて見てもわからないし(ハッハッハッ!)お母さん気にし過ぎじゃないですか」と、話しが通じていないトンチンカンなことを言われた。

(2)気分
イライラMAXで最悪、怒りと、自分で教育のプロなんて言っちゃうことに驚愕・・・。
怒り:98
イライラ:80
驚愕:100

(3)自動思考
時間の無駄。
どれだけ自信過剰なのだろう・・・ありえない。
人の話を聞けない人。
校長なんて児童一人一人見てないでしょ。
教育者なのに発達障害について知らないなんてプロ名乗っちゃダメでしょ。

(4)根拠
○持参した主治医からの診断書、意見書もテスト結果もテーブルにほったらかしで見ない。
○そもそも会話が噛み合っていない。

(5)反証
息子からはいつも校庭で一緒に遊び、全校児童の名前を覚えていると聞いている。 

(6)適応的思考
判定員にはまだ繋がっていないが、何度も個人面談には応じてくれている。
せっかちなタイプで人の話を最後まで聞くのが苦手なのかもしれない。
発達障害をまだ躾や個性と思ってるのだろう。

(7)今の気分
モヤモヤ:75
怒り:50
呆れ:80

このように、(7)では(2)の時の気持ちや数値が違うのがわかります。
イライラは消え、代わりに無知に対する呆れの気持ちが表れています。

次に上司から理不尽に叱責を受けたという場面で考えてみましょう。

(1)出来事(状況)
上司から大丈夫だと言われていたから見積書類を確認しなかったのに、今日当日になって取引先から「頼んでいた見積書と違う」と言われ、帰りに同行していた上司から「あれほど確認しろと言ってただろう!何やらせても君は中途半端だな」と叱られた。

(2)気分
ムカムカ:90
苛立ち:100
絶望:50
情けなさ:70

(3)自動思考
え、マジ?オレのせい?
大丈夫って言ったの覚えてないの?!
いくら何でも言いすぎでしょ!

(4)根拠
上司に確認しようとしても大丈夫だと言われた。

(5)反証
今まではちゃんと確認してくれてたし、あんな言い方したことないよな。

(6)適応的思考
上司も余裕なかったのかも。
新プロジェクト抱えて毎日残業してるしな。

(7)今の気分
モヤモヤ:65
絶望:22
情けなさ:0

視点を変えて考えてみると感情やその数値が変化するのをおわかりいただけたでしょうか

自分の思考や感情を一歩退いて見てみるのは、意識しなければついついいつもの自動思考に引っ張られてしまいます。

一度じっくりコラム法に取り組んでみると、ストレスマネジメントやアンガーマネジメントにはもちろん、今まで気づかなかった自分の価値観や認知、思考のクセに出会えると思います。

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セルフ認知再構成法にチャレンジしてみましょう【2】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

認知行動療法にはセルフモニタリングというスキルがあります。

セルフモニタリングは、感情マネジメント(アンガーコントロール/ストレスマネジメントなど)など、セルフコントロールを身につける上でベースとなる重要なスキルで、自分の今の状態を観察し、記録、評価することです。

自分自身の気持ちや行動を観察し整理していくことで、無意識にある考え方のクセを知ったり、自分をコントロールするヒント、問題解決の糸口が見えてきます。

コラム法は書き出していくことでセルフモニタリングスキルを身につけていく方法です。慣れるまでに多少時間はかかりますが、慣れるといちいち書き出さなくてもセルフモニタリングできるようになります(いつも幽体離脱した自分を少し離れたところから眺めてるイメージ)

コラム法で使うシート(私はノートに線を引いてお手製を使っていました)を思考記録表にして、3コラム法(1でお話ししました)、5コラム法、7コラム法をおこないます。

3から7に質問項目が増えるだけですが、いきなり7コラム法に取り組もうとすると面倒くさくて嫌になってしまうので、私は「気軽に3コラム法からスタートしましょう」と話しています。

(1)状況:気持ちが動揺したときの一場面(どんな嫌な事があったか)。
(2)気分:そのときの気持ち(どんな気持ち/感情になったか)。←数値化します。
(3)自動思考(その時に浮かんだ考え)。
──────ここまでが3コラム法

(4)根拠:自動思考を裏付ける具体的な事実。
(5)反証:自動思考と反対の事実。
──────ここまでが5コラム法

(6)適応的思考:バランスのよい考え。
(7)いまの気分。
──────ここまでやって7コラム法です。

最終回では具体例を出しながらお話ししようと思います。

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セルフ認知再構成法にチャレンジしてみましょう【1】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

今回から3回に分け“コラム法”についてお話ししたいと思います。雑誌や新聞のコラムとは違います(笑)。

コラム法には項目数によって3・5・7コラム法があります。

アプリなどもありますが、私は敢えて紙(ノート)とペンで書き出す方法を勧めています。
自分の手で“書く”というアウトプット自体に意味があると考えているからです。
文字を書くのが苦手でも構いません。
誰に見せるわけでもないので全部ひらがなでも構いません。
ただ、後で読み返した時に自分が読めるような字で書くことだけを意識して下さい。

まずは簡単で手軽に取り組める3コラム法からスタートしましょう。

3コラム法は『出来事』『感情』『考え』から構成されます。

それぞれ書き出し、感情の部分には数値をつけます(今まで一番その感情が強かった時のことを100とすると、今の感情の強さはどれくらいか)。

例)
●出来事→ホームで歩きスマホをしていた人にぶつかられた。
●感情→怒り(ムカ!)85。
●考え→歩きスマホなんかするからだ、邪魔だ。

●出来事→朝、夫にゴミ出しを頼んだら「そのくらいやってよ、朝は忙しいんだよ」と言われ、やってくれなかった。
●感情→イライラ、モヤモヤ97。
●考え→私だって働いてるし、子供を保育園に連れて行く準備があるのに、何故ゴミ出しすら協力しないの!

自分の感情を(特にネガティブな感情/怒り、不安、焦り、モヤモヤ、悲しい等)数値で表せるようになることは、認知行動療法で大切なスキルですので、軽く取り組んでみで下さい

【2】では、より効果的に自分の思考を掘り下げる5コラム法を取り上げます。

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