組織内パワハラ【番外編】

メンタル・イデア・ラボ、AEのスミです。

今回は組織内パワハラ【番外編】として書きたいと思います。ここ数ヶ月の報道を見聞きしていて、ある言葉が自分の中で生まれました。ちょうど組織内パワハラについて本城が書いていたので、番外編としてついでに書いてみました。風刺として読んでいただければ幸いです。

それは、

ガバハラ

これは私の思いつきの言葉です。世の中でまだ流通していない言葉だと思います。略さずに正確に記すと、

ガバメントハラスメント

ガバメント、つまり政府です。政府による国民へのハラスメント、ということです。国は究極の組織であると考えた時、政府を構成している内閣は企業でいうところの経営陣、国民はさながら社員ということになると考えてみました(国民は有権者だから株主という見方も可能)。

国を“日本株式会社”とイメージしてみました(『日本株式会社』という言葉は昔よくメディアでも登場した言葉です。それを現代に蘇らせてみます)。

そうすると総理大臣は社長ということになり、他の閣僚諸氏は副社長、専務、常務という役員となります。与野党問わず国会議員はヒラの取締役または執行役員のような存在でしょうか。官僚は企業で言えば、現場の部長級の幹部。ざっくりとした例えですが(笑)

政府による国民へのハラスメント、と書きましたが、一体どういうことかというと、飽くまでも個人的見解ですが、

ガソリン税のトリガー条項を凍結したまま発動しない、日本経済団体連合会(経団連)や関西経済連合会というロビイストたちによる消費税増税の提言、防衛費増額のため法人税・たばこ税・所得税の増税、少子化対策として社会保険料の負担増案、物価高による電気・ガス料金高騰への補助金縮小、インボイス制度開始などなど。

一方で実質賃金は17ヶ月(1年半弱)連続の減少、また直近ではイスラエルとハマスの戦闘開始で、政府のチャーター便でイスラエルからドバイへ退避した邦人8名に3万円を請求。大阪・関西万博工事遅延のため、この工事に従事する労働者に限り、労働時間の上限を特別に撤廃し、残業させまくって開催に間に合わせようと言ってみたり。これなどはハラスメントを超えてブラックです。『蟹工船か!?』とツッコミを入れたくなるぐらいのブラック発言です。このご時世に平気でそんなことが言える神経が理解不能です。

これらを見聞きして、もはや政府による国民へのハラスメントではないか?と思ってしまうのです。1億総ガバハラ被害者・・・そんな言葉が脳裏をよぎります。

なんだかなぁ・・・、という言葉しか思い浮かびません。ふと日本を辞めたくなる気分になったりします・・・。社員はまだ退職して逃げるという手段が残っていますが、国民は日本株式会社という組織を辞めることはできません。しかし仮に辞められたとしても、海外の国の中にはブラック企業ならぬブラック国が存在するので、相対的にまだ日本のほうがマシかとも思えなくもないのですが・・・。

政権の支持率が発足以来最低と報道されるや、今度は減税という言葉が政府から出てきました。その途端、与党の口から時限的に消費税率を5%に、食料品の消費税率は0%に、というにわかには信じ難い発言まで飛び出る始末。6割の国民は今の政府与党にそんな減税などできるわけがないとして経済政策には期待していないようです。私もそんな大胆な減税が今の政府与党にできるとは到底思いません(笑|結局自民党の提言には減税項目は何一つ盛り込まれませんでした)。やる気もないくせにあからさまに減税を叫ぶなど、選挙目当てというのが見え見えで辟易します。今や選挙公約は投票してもらうための方便に過ぎず詐欺にすら感じています(そのくせ国際公約、要は米国との約束はがっちり守り、増税や何か負担させる時の口実に使われる)。

一方で国の税収は2022年より約10兆円増えて71兆円、その他、外国為替特別会計(外為特会)の含み益、年金運用益、日本銀行買付ETFの含み益などを合わせると税収以外で国は180兆円以上の利益を上げているそうです。どうりで海外へ気前よくスピーディーにポンポンポンポンとバラ撒けるわけですね、と言いたくもなります。

それでいて上記のように、国民へはスズメの涙程度の微々たる還元で済ませ、負担増ばかりのことをやろうと決め込んでいます。

こうしたことを受けて『私たち国民は、今まさに政府からハラスメントを受けている!』という視点で捉えると危機感を覚えます。そして国民は茹でガエル状態にあるとすら思えます。

このガバハラから逃れるためには選挙しかないのですが、悲しいかな衆議院解散は社長である総理大臣の専権事項であるため、国民から能動的具体的に動くことは叶わず、八方塞がりの逃げ場のない状態にあると思ってしまうのでした・・・これは究極のハラスメントかもしれない、はぁ〜〜・・・(ため息)。

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組織内パワハラ【2】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです

今回はパワハラから自分を守るために知っておきたい知識や対策についてお話しします。

大きく4つあります。

①過剰適応しない
ここでいう過剰適応とは自分を抑え込み、押し殺して相手や環境に必要以上に無理して合わせようとする状態の心理学用語です。

パワハラ(モラハラも)が常態化していくと、ほとんどのパワハラ被害者は無意識に過剰適応しています。自分の意見が言えない、自分より他者を(他者の気持ちを)優先しがち、理不尽で無理な要求にも応えてしまう(応えようとしてしまうも含む)、責任感が強すぎる傾向にある人は注意が必要です。

最初は何ともなくても、そもそも適応が“過ぎる”のが過剰ですから、メンタルには過大な負担がかかっています。ここぞという時に、自分を奮い立たせ頑張るのは構いませんが、毎日がここぞ状態で過剰適応して頑張り続けるのは、心身ともにとても苦しいものです。それは、ある意味不健康です。メンタルバランスを崩し、鬱になる可能性も高くなります。自分が過剰適応していないかをセルフチェックしてみるクセをつけましょう。

※過剰適応については、後日またお話ししようと思います。

②記録を録る
会社のコンプライアンス部門や外部機関に相談するにせよ、いざとなった時に診断書を取るためにも、“被害の証拠”となる記録が役に立ちます。日記のように記録しても構わないのですが、下記の項目を記録してほしいと思います。

○いつ
○どこで
○誰に
○どのようなことを言われたのか(されたのか)
○見ていた(聞いていた)人はいるのか

今はスマホもありますし、より鮮明に長時間録音できるボイスレコーダーもあるので、そのような物を活用し、言い逃れできないように証拠を記録しておきましょう。多くのパワハラは暴言など言葉でおこなわれることが多く、カタチとして残らないため、いかようにも言い逃れができるからです。どれだけ立場が上であっても、他者の尊厳を傷つけたり、人格を否定してよい免罪符にはなりません。
③アサーティブとは何かを知り、アサーションスキルを身につける
このアサーティブとは何かについては、過去のコラムを参照してください。
アサーション:自己表現
連載:アサーション【導入】
連載:アサーション【1】
連載:アサーション【2】
連載:アサーション【3】
連載:アサーション【4】
アサーションのさまざまな手法【1】
アサーションのさまざまな手法【2】
アサーションのさまざまな手法【3】
④第三者に相談する/第三者を交えて話し合う
組織の中でパワハラ被害に遭った場合、一人で立ち向かうのはお勧めできません。信頼できる同僚、先輩、上司はいませんか?会社にコンプライアンスを取り扱う部署はありませんか?
信頼できる人がいない、コンプライアンス部門がない場合は、自分の心身を守るために転職や異動など環境そのものを変える、あるいは外部の専門家のカウンセリングを受け、メンタルのダメージを少しでも緩和するなどし、一人で悩み、抱え込まない環境を用意することもよいかもしれません。根本的な解決にならなくとも、その方法を見い出すまでの対処法としては有効かもしれません。

パワハラ、モラハラ(DV)被害者になると、心は深く傷つき、疲れ果てています。鬱状態、希死念慮、フラッシュバック、トラウマによる社会不安や人間不信など、ハラスメントは大きな傷痕を残します。

その時は是非、迷わず専門家によるケアを受けてください。一人で我慢して抱え込んだり、一人で頑張って回復を目指さなくてよいのです。

あなたが これからも 一度きりの大切な人生を 歩むためにも。

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組織内パワハラ【1】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

パワハラとは直訳すれば、

『パワー(権力)をかさにハラスメント(迷惑)をかける』

ですが、迷惑などと軽い表現で済まされないことが多くあります。

一番の問題はパワハラをした側が「大したことじゃない」「大袈裟過ぎる」「間違ったことは言ってない(やってない)」「捉え方がおかしい」「精神的に弱過ぎる」と考えていることです。

「大したことじゃない/弱過ぎる」と思っていれば、自分の言動・行動に問題があるなど思いも及びませんし、ましては反省して行動・言動を見直そうなど1ミリも思いません。

だって、「自分は悪くない」ですから。

毎回待ち合わせに遅刻して他者を待たせる人は「そんなに待たせてない」「連絡はしたし」「自分ならそれくらい何とも思わない」「遅れてもちゃんと行くし」と他者の気持ちを考えず、自分本位な自分軸でしか考えていません。

パワハラ、モラハラの構図はまったく同じです。

「自分だったらそうは思わない」「自分ならそんなことはしない」・・・全部自分“だけ”軸です。

前回の“想像力”でお話ししたことでもあります。

厚生労働省は具体的にパワハラを、優越的な関係を利用し、労働者を虐待する行為として、次のように定義しています。

  • 身体的な攻撃
  • 精神的な攻撃
  • 人間関係の切り離し
  • 過大評価
  • 過小評価
  • 個の侵害

パワハラ・モラハラをはじめ、ハラスメントから自分を守るために知っておいてもらいたいことがあります。

次回はその対策を細かく見ていきましょう。

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他者に必要とされる必要

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

突然何やらこんがらがりそうなタイトルですが・・・今回はまたしても【共依存】についてお話ししようと思います。

このコラムでも以前に自己肯定感・自己有用性・承認欲求については書いています。

今回の“他者に必要とされる必要”ですが、一歩間違うと底なし沼に足を踏み入れたかのようなズブズブな共依存を生み出す、ということをお話しします。

ご主人(奥さん)にモラハラを繰り返され、心身ズタボロに傷つけられても「あんな人(妻)だけど、あの人(彼女)をわかってあげられるのはワタシしかいないから」と側を離れない奥さん(ご主人)。アルコールで他者に迷惑をかけたり、警察沙汰にまでなっているのに「彼(彼女)はワタシ(オレ)を必要としているから」と別れないカップル。「いつまでも子供で、ワタシがいないとダメなんですよ、ウチの息子(娘)」と50歳を超えた中年息子(娘)に目を細める年老いた母親(父親)。

同じ構図です。どんなにズタボロに傷ついても、ご主人(奥さん)に必要とされていることで、自分の価値を見出そうとする奥さん(ご主人)。自分が彼(彼女)の支えにならなければ、に見せかけて、彼(彼女)から必要とされることで自分を保ち、自己肯定感を上げようとするパートナー。「困った、困った」と言いながら世話を焼き、50歳の中年息子(娘)から離れられなくしている(無意識)母親(父親)。

  • 必要とされたい。
  • 必要とされなければ、自分で自分を肯定的に認めることができない。
  • 必要とされることでのみ、自己有用感や承認欲求が満たされ満足する。
  • 必要とされなければ、自分を価値がない人間だと思い込む。

共依存とは歪な支配関係だと以前お話ししました。

また、相手を過剰にサポートし相手の言うことを聞き、言いなりになる側を“共依存”イネイブラーと呼びます。イネイブラーの心理には特徴があります。

不安が強く自己肯定感が低い。自己の過小評価により他者に認められることでしか満足を得られず、好意を繋ぎ止めようと必死になり、自己犠牲を伴い、献身的に支えようとする。

自分にポジティブなこと(自己有用感や承認欲求を満たされる“満足感”)を与えてくれる人に嫌われないように、過剰に献身的になるのです。

一見、イネイブラー(過剰支援する側)が支配されているように見えますが、被共依存者(前記だとモラハラなご主人(奥さん)、アルコール依存のパートナー、中年息子(娘)溺愛で世話焼きの母親(父親))は献身的に支えるイネイブラーがいなければ、生きられなくなってしまい、結果、被共依存者もイネイブラーに依存していくことになります。

イネイブラーが先回りして過度な支援をし助けるため、被共依存者は居心地がよく、問題解決に向かうどころか望まない行動が続いたり、増加していく傾向があります。

共存は共に助け合い、支え合う健全な関係ですが、共依存は歪で病的な関係です。

自分と他者との関わり、関係性を一歩退いたところから眺め、【共依存になっていないか】を確認してみるのもよいでしょう。

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うつ 病【1】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

お盆休みが終わり、8月も後半になりました。お盆休みは生憎台風が近畿地方に上陸し新幹線が大混乱となりました。

さて、お盆明けのコラムは2回にわたって『うつ病』について書いていこうと思います。ポピュラーと言っては言葉が悪いですが、今や日常的によく聞く言葉ではないでしょうか。

通勤時など、よく利用する路線がしばしば遅延します。その理由の一つが人身事故と言われる“飛び込み自殺”です。電車に飛び込むという手段ではなくても、悲しいことに私の周りでも何人もの友人が大切な人を自殺で亡くしています。

今回は自殺の引き金として一番多いとされる『鬱(うつ)』について、その原因や症状についてお話ししたいと思います。

うつ病の原因は人の数だけありますが、決して心の弱さから発症する病気ではない、ということをまず知っておいてほしいと思います。根性論で「心が弱いから」「気にしなければ大丈夫」「気合で乗り切れる」などとのたまう人がいますが・・・ぜひ、鬱になってどれだけ辛いのかを、じっくり味わった後で同じことを言ってほしいものです。

気合で乗り切れたのだとすると、それは鬱ではありません。日常的によくあるただの気分の落ち込みです。寝て美味しいものを食べたら復活する程度の気持ちの疲れだった、ということです。

話は戻りますが、うつ病は本人の物事に対する受け止め方や周りの環境、ストレスなど複数の要因が複雑に絡み合って引き起こされます。

急激な環境変化(就職/転職/家族の不幸など)や強いストレス(望まない人事/いじめ/パワハラ・セクハラ/持病の悪化など)に直面して心身が疲れている状態が持続すると発症のトリガーになります。意外かもしれませんが、昇進や結婚などポジティブなはずの出来事がきっかけで発症することもあります。これは、嬉しく好ましい出来事も“ストレス”であることの表れです。

うつ病はさまざまな症状がメンタルや身体に表れます。

心の不調としては、

  • 憂鬱な気持ち。
  • イライラする。
  • 焦燥感がある。
  • やる気がない。
  • 今まで楽しかったことも楽しく感じない。
  • 感情が平坦になった気がする。
  • ネガティブな考えが繰り返し浮かび抜け出せない。
  • 自分を責める。
  • 自殺を何度も考えてしまう。
  • 無気力になる。

身体の不調としては、

  • 眠れない。
  • 眠った気がしない。
  • 背中や肩が痛む。
  • 頭痛や腹痛。
  • 食欲減退。
  • 性欲減退。
  • 体のダルさや重さ。
  • 疲れやすい。
  • 体重減少。

などです。

鬱状態は心身の十分な休養や環境見直し、投薬などで時間の経過とともにアップダウンを繰り返しながら落ち着いていくケースが多いので、焦りや不安を上手くコントロールしながら気長に治療を続けることが何より大切です。

また、このような状態の時には普段よりマイナス思考が強いので、大事な決断(就職/離職/結婚/離婚/転居など)は先送りし、落ち着いてから考えるようにしましょう。

治療は薬と認知行動療法を主軸におこなわれます。特に認知行動療法や対人関係療法は始めてすぐに満足する結果は表れないので、治療には時間がかかることを理解してほしいと思います。

鬱状態の時は本人が辛いのはもちろん、周りでサポートする人もなかなか大変です。次回はどのようなサポートをしていけばよいのかお話ししようと思います。

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機能不全家族【2】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

7月最後のコラムからの続きで、機能不全家族の具体的な例をお話しします。

その前に機能不全家族の主な特徴はというと、

  • 食事や睡眠など、生きるために必要な欲求を満たせない。
  • 物理的/精神的に常に安心して過ごせない(心理的安全性が担保されていない)。
  • 人格/存在を否定される。
  • 周囲(子供の場合は養育者)から意に沿わない過剰な期待がある。

などなど、書いているだけで胸が痛くなる話です。

思春期反抗期で、私に対し自分の意思を通そうと真っ向からぶつかってきて、しかも理不尽に親に八つ当たりしまくれる息子は、少なくとも抑圧され親にコントロールされていないことだけは確かです。

それでは細かく見ていきましょう。

●親の期待に沿った時だけ褒めますが、親に一貫性がなくその時の感情次第で同じことをしても(例えばテストで良い点を取った、嫌いなおかずを頑張って食べたなど)褒める時と褒めない時がある。

●同級生、兄弟姉妹と比較する(親の言うことをきく/成績やできること・できないことなど)。→「あなたは何をやっても下手」「どうせまた失敗する」「○○さんはできるのに(ため息)」「こんなことくらいできないクズ」

●子供の前で日常的に互いを否定するような暴言、また怒鳴ったり暴力を伴う夫婦喧嘩をする。

●子供を思いどおりにコントロールしようとする(友人関係への口出し/子供の意思や考えを尊重せず、親が何でも決める)。

●過干渉:友人関係や学校生活のことを何でも逐一知りたがり、把握していなくては気が済まず、口出し/指図、命令したがる。口癖は「あなたのためを思って」です。

●人格や存在そのものを否定するような暴言がある。→「あなたなんかいなくなればいい」「いる意味ない」「あなたなんか産まなければよかった」「死ね(死んでいいよ)」「生きている価値ない」など。

あらゆるハラスメントに言えることですが、特に家庭内でおこなわれる子供やパートナーに対するハラスメントは内側から声を上げなければ表面化することすらなく、当事者だけでは解決が難しいケースがほとんどです。

立場(役職)が上だから、働いているから、給料が高いから、年上だから、親だから、男だから・・・どのような場合でも他者の人権を尊重せず、人格を否定し踏みにじることは許されることではありません。普段はこのようなことは誰もが理解していると思いますが、現実は案外横行しています。

特に家庭内においては赤の他人ではない関係性だけに何も意識せず、無邪気に(夫・妻・子供の)人格を否定し踏みにじる言動を言いたい放題なのではないでしょうか。

意思や感情、行動を尊重されること(オールイエスという意味ではありません)で、自己肯定感は育ちます。

何をしても叱らず褒めるだけの育児も、自己肯定感が尊大化したり妙な自己万能感を持つ自己愛を拗らせた人(自己愛性パーソナリティ障害)に成長してしまうことがあります。

本当に養育者の役割、正常に機能する家族の役割は重要で大切なのだと思います。

8月15日火曜日のコラムは夏季休業のため休載します。8月20日日曜日より掲載します。

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機能不全家族【1】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

読んで字の如く“家族として正常に機能していない家族”のことです。

機能不全家族の中で育つと、親から離れてもさまざまな場面で生きづらさを抱え、人間関係で困難さを持ち続ける人が少なくありません。

それは学業や対人関係、仕事や結婚生活、育児までその人の人生に深いトラウマを刻みつけるのです。

“親と離れたから自分らしく生きられる”

実はそう簡単なことではないのです。

本コラムでも何度か毒親や愛着について書いていますので、参照していただければと思います。

毒親〜前編:大きく4タイプ 毒親〜後編:子供は別人格の他者 生きづらさ/アタッチメント不全【1】 生きづらさ/アタッチメント不全【2】 生きづらさ/アタッチメント不全【3】愛着スタイル回避型

具体的にどのような家庭が機能不全家族、毒親と言われるのか?

家庭内で身体的・心理的な虐待・ネグレクト(育児放棄)があるなどして、家族として機能を十分に果たしていないと考えられる家庭のことを指します。

より具体的には親が子供の尊厳を無視し、まるで自分の所有物かのように思いどおりにしようと暴言、暴力を振るうケースもみられます。

過干渉で子供に意思決定を任せず、親の考えでコントロールし支配しようとするケースでは、親子共依存関係にある特徴もあります。

親の気分次第で無視したり暴言を吐いたり、普段は無関心なのにやたら過干渉になったりと親子関係が不安定なので、家庭内はいつも緊張感が漂っています。

パートナーに対して威圧的/高圧的になる人や、反対に先回りして怒らせないように自分を押し殺す人もいます。

機能不全家族で育つと主に次の2つの特徴があるように思います。

1)他者と信頼関係に裏付けられた持続した人間関係を築けない。

2)自分の感情や気持ちを素直に表現できない。

パーソナリティ障害の境界性パーソナリティ障害にも共通します。

次回はより具体的な例を挙げながら、機能不全家族について考えていきます。

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『忙しい』はキライ

メンタル・イデア・ラボ、AEのスミです。今月5日は投稿できず大変申し訳ありませんでした。本城は、あまりの多忙さにちょっとコラムの執筆が遅れております。重ねてお詫び申し上げます。

3月になり東京では春一番が吹きました。もうすぐそこまで春が来ている陽気になりました。とは言っても、まだコートやダウンジャケットは手放せませんが・・・。

そして人事異動の時期でもありますね。新入社員を迎える準備もしていたり決算だったりと、年度末は嫌でも毎年何かと忙しくなります。

本城が珍しく超多忙ということで、この『忙しい』について書こうと思います。私は個人的に『忙しい』という言葉は好きではありません。なぜかというと、『りっしんべんに亡くなる』と書きます。『りっしんべん』は心の働きに関する漢字に多く使われ、『忙しい』とは『心が亡くなる』ことを意味しているからです。その意味を知った時、軽い衝撃が走りました。

忙しい人を見ていると、確かに気持ちに余裕の無さを感じて、話しかけるのも憚られる雰囲気です。何か話しかけようものならキツい物言いで返されそうですよね。ただでさえ人手不足で余裕のない人員の部署が多いだけに、目の前の業務にそれこそ『忙殺』されている人もいるのだろうと想像します。パワーハラスメント、モラルハラスメントの温床にもなりかねません。

でも、そういう状態になることは誰にでもありますよね。私も『忙殺』『多忙』状態になることがあります。その時は大概集中していることが多いので、その集中を乱されることが苦痛になります。そして時間に追われている感覚を持っています。そういう状態の時に何か話しかけられると、ついキツい言葉を発してしまったり、ぞんざいに対応してしまったりしがちです。その時は、後で後悔の念に駆られたりします。

当たり前ですが、そういう時はひと息ついた時に「さっきは申し訳なかったね」とフォローするように心がけています。相手が「あぁ、こっちも忙しい時に悪かったね」と言ってくれた時は本当にホッとします。感謝ですね。

今は在宅ワークなどでオフィスにいることも減ったと思うので、あまりそういう会話はしなくなったかもしれませんが、その分、別のプレッシャーがありそうです。

カリカリしても生産性は上がりませんから、どうしたら効率よくできるか、に知恵を絞ったほうが良さそうです。何よりもカリカリすること自体、苦痛で不快なものです。私は忙しくなってきたなと感じたら、カリカリする前に業務を小説のパラグラフのように区切り、区切りごとにちょこちょこ小休止を入れるようにしています。人によりますが、私の場合、連続してやっていると集中力が切れやすいのです。小休止を入れることで、集中力が持続しやすいことに気づきました。

以前、本城もコラムで書いていましね。ちょうど1年前あたりでしょうか、ポモドーロ・テクニックのようなイメージです。

すると不思議と忙殺感はなくなりました。そして明日やってもいいことは時間があっても明日に回したりもします。あえて今日はやらない、とすることも案外大事なことだと気付きました。今日を心穏やかに終わらせるために、です。腹八分みたいな感覚ですね。

とにかく心がトゲトゲしくならない範囲で収めるようにしています。トゲトゲしい心持ちでやった仕事はクオリティが低くなりがちですしね。

そして何より食べたいものを食べ、何にも追われない時間を作り、よく寝ることを心がけています(笑)

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またもや長時間労働による自殺

メンタル・イデア・ラボ、AEのスミです。

またもや長時間労働による自殺の記事がヤフーニュースに掲載されました。

私たちは2015年に大手広告代理店の新入社員の女性が長時間労働で自殺したことをキッカケに、2019年、働く人のメンタルケア・サポートを目的にメンタル・イデア・ラボを立ち上げました。

メンタル・イデア・ラボの運営会社である有限会社時遊区は元々は広告企画制作会社です。大手広告代理店の女性新入社員の方は同じ業界の中でもエリートで、そんな人が自殺したというニュースは時遊区にとって衝撃でした。何故か他人事とは思えず、何かおかしい、モヤモヤしたものを抱きました。そんなモヤモヤを何とかしたいというのがメンタル・イデア・ラボの立ち上げの原点です。

にもかかわらず、テレビ局の岡山放送社員の方が長時間労働で自殺したニュースは、残念な思いでいたたまれません。記事を読むと、パワハラもあったと言います。私たちはパワハラやモラハラ、マタハラも含め、働く人が

自殺や精神疾患に陥る前に何とかしたい

という思いで日々取り組んできました。そのためにはもやは個人任せにせず、

企業がメンタルの健康にもっと関心を持っていただくことが重要

だと考えています。数年来、健康が強く叫ばれ、身体的な健康には力を入れている企業が増えたことはいいことだと思っています。しかしメンタルの健康となるとまだまだ不十分で、ストレスチェックもチェック後のケアはなく、個人任せであり形骸化していると言っても過言ではありません。企業としてメンタルの健康に積極的に取り組んでいるのは微々たるものです。

弊社はこうした長時間労働で自殺したり精神疾患に陥る人を無くしたい思いで、これからも取り組んでいきます。企業の短期的な売り上げには貢献できませんが、働く人のメンタルケア・サポートは目には見えない企業の人財という資産のリスクマネジメントだと考えています。

・・・

今回自殺してしまった30代の岡山放送社員の方の無念さ、寂しさ、深い孤独感と絶望感を想像すると、心が裂ける思いでいっぱいです。ご冥福をお祈りいたします。

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緊急寄稿:新型コロナウイルスによるメンタルリスク

メンタル・イデア・ラボの代表を務めるスミです。

新型コロナウイルスの影響により、当初は首都圏や関西、福岡に緊急事態宣言が出され、今や全国に緊急事態宣言が出されるに至りました。生活が一変し、日常とは違う生活を強いられていることだろうと思います。一応来月6日までということですが、それで済むかいえば甚だ疑問です。

英国では以前より緊急事態宣言が出されており、そこで静かに社会問題化しているのがDVであることが報道されていました。恐らく虐待も増加していると想像します。

経済的に苦しくなり、徐々にメンタルが不安定になっていった結果、DVや虐待が誰の身にも起き得るということを理解しておくことが大切です。最悪の場合、離婚に発展することもあるようです。『コロナ離婚』という言葉も既に耳にします。

夫の収入が不安定になり(あるいは無くなり)、生活が維持できなくなるのではないか、これからどう生活していけばいいのか、という極度な不安がメンタルを追い詰め、DV、虐待という形で顕れることがあります。それが酷くなれば、当然一緒に生活できないとなり、離婚へ至る夫婦もあるようです。

2019年8月19日のコラムで、弊社の心理士である本城がモラルハラスメントについて書いていますので、それと合わせて読まれることをお勧めします。というのも、今の社会的・経済的不安定の状況にこそ、モラルハラスメントが顕在化し、横行し、今まで他人事だと思っていたことが突如自分の身に起きる可能性が高まるからです。

世間全体が今、我慢を強いられています。テレワーク、在宅勤務ができている人で、収入面でもそれほど心配ではなくても、夫婦関係、親子関係は別であることは肝に命じておくとよいと思います。外出自粛も相まって四六時中一緒に居れば、家庭でも多少の差はあれ、イライラが溜まってくるものです。子供も学校は休校状態であり、子供の面倒を見ながらの在宅勤務、テレワークなど、やはり心理的負担は大きいはずです。

そんな状態が毎日続くわけですから、当然イライラが溜まり、時として心にもなく、“つい”キツい言葉が出てしまうかもしれません。そこからゆっくりと気持ちのスレ違いのようなことが進行し、知らず知らずのうちに溝が出来てしまう、ことになりかねないのです。

収入面での心配が生じてしまっている場合は、よりメンタルを直撃し深刻になりやすくなります。私もリーマンショックの時などは本当に辛かったし、今思えば軽い鬱になっていたのではないかと思うくらいです。しかし今回は、それを上回る規模で景気が急速に後退しつつあります。行政機関からの休業要請もあり、支援金などの制度を活用したところで再開の目処が立たないうちは、不安はまったく払拭されません。このような状況で

どうメンタルを保てばいいのか?

これは経済的な問題と同時に重要な問題です。経済的な問題は死活問題ですから、同時にダイレクトにメンタルにも影響してきます。私がリーマンショックの時に感じた、重苦しく不安しかないメンタル状態にならないために、メンタルをいかに保って難局を乗り越えていくかが、今、最も重要なもうひとつのテーマです。

しかし『これ!』という方法はありません。ただ不安に呑み込まれないようにすることが肝要です。そのためには、

今の自分の現状を受け入れること

出来ることから行動すること(今なら行政機関の支援制度を調べ行動するなど)、

そして親など身内、知人、友人と相談も含めた世間話すること

です。これを【意識的に】おこなうことです。【意識的に】がミソです。この時、心配をかけたくないとか、見栄、羞恥心は最大の敵になるので、そういう類の感情は早く捨てたほうがいいと思われます。社会全体が有事なのですから、ヘンにカッコ付けるのは危険です。社会全体が有事だからこそ、むしろ共感が得られやすいかもしれません。

共感できる人や共感し合える人がいることは、メンタルにとって非常に重要なことです。

どうか共感し合える人を一人でもいいので見つけてほしいと思います。決して独りで抱え込まないことが肝要です。

このように、自分ができる小さなことを行動に移すことで、不安に呑み込まれにくくなります。ただし、不安が解消されるわけではないことに注意してください。不安に呑み込まれにくくなることで、少しずつ出来ることが見えてきたり、夫婦や恋人との会話であれば、思わず前向きな言葉が出てくるかもしれません。こういう時、夫婦や恋人は戦友のように共に励まし、助け合う関係になり、絆がさらに深まる機会でもあります。単身であれば仲間同士で励まし合い、信頼関係が一層深まる機会でもあります。つまり、こういう時は

孤立化しないこと

が重要です。孤立化しなければ、メンタルが不安に呑み込まれにくくなり、深刻な状態に至らない予防になり得ます。

今、新型コロナウイルスに感染しないことが最も重要なことですが、次に重要なのは、意外と見落としがちな【メンタルをいかに保つか?】です。今こそ自分のメンタルのしなやかさが問われています。

メンタルは不安に駆られているうちに壊れていきます。メンタルが壊れてしまっては、出来ることすらする気がなくなります。つまり気力が奪われます。さらに心がささくれ立ち、今まで築き上げた人間関係すら壊してしまうことになりかねません。

この度のことは長期戦が予想されます。この長期戦を乗り越えるには、

自らのメンタルに目を向け、気力を奪われないように、メンタルを自己管理すること

が重要です。

その方法のヒントについては、以前の本コラムに本城が書いていますので参考までに記載しておきます。

2020年1月15日コラム

2019年11月20日コラム

2019年11月15日コラム

2019年10月31日コラム

2019年9月21日コラム

上記以外にもヒントになるコラムがあるかもしれません。どうぞ参考にしてみてください。

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