メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。
東海道新幹線に乗った時の楽しみと言えば、駅弁にスプーンが入らないスジャータのガッチガチのアイスクリーム。そんな人も多いのではないでしょうか。私だけでしょうか(笑)
2023年10月末日で車内販売が廃止され、一部人気商品(アイスクリームやコーヒーなど)は自動販売機で販売されることになったようです。正確には『のぞみ号』が停車する駅のホーム上に設置されるようですから、『のぞみ号』が停車する駅以外では買うことすら叶わない、ということになりました。
もう二度とスジャータのガチガチアイスクリームが食べられない!わけではないのは不幸中の幸いかもしれません。
しかしながら、「新幹線車内で、あのアイスクリームを食べたい!」と思って自動販売機でアイスクリームを買って新幹線に乗るか、というと、どうもしっくりきません。
しっくりこない理由が、車内ワゴンサービスか自動販売機の違い、どうもそれだけではない気がするので、人の行動心理を考えながら「なぜ?」を考えてみました。
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乗車する時間や目的にもよるとは思いますが、仮に東京〜名古屋・新大阪くらいで(もっと先でもいい)考えると、乗車するなりコーヒーやお茶という人はいても、アイスクリーム!という人は少ないように思います。
アイスクリームはいわば“おやつ”、“間食”扱いになるので、車内で駅弁を食べたい人であれば先に駅で買い、乗車して間もなく食べようとする人が多いはずです。旅行者やビジネスの出張帰りであれば『まずビール』かもしれません。子供でもない限り、なかなか『まずアイスクリーム』にはならないのではないでしょうか。
上手くできたもので、東京など始発駅から乗車した途端、車内販売はやって来ないものです。もちろん準備など車内販売側の都合もあるでしょう。実は若い頃、アルバイトで山陽新幹線と在来線の特急列車で車内販売をしていたことがあるので、何となくそのあたりは想像がつきます。
荷物を棚に上げて座席につき、上着を脱いで周りを見回したり車窓を確認して落ち着き、駅弁を広げるあたりにグッドタイミングでやってくる感じでしょうか。ワゴンサービスは往復しますから、駅弁を広げる時間なら、最初は「ビール買うか」「お茶をもう1本買っておこうかな」で、ワゴンサービスが長い車両を往復する間に駅弁タイムは終わります。
アイスクリームの車内販売は駅弁や飲み物とは違い、ワゴンサービスではやってきません。
食べ終わってのんびり車窓を楽しんだり、旅行計画を再確認したりと、すっかり車内が落ち着いて馴染みきった頃にやって来るのがガチガチアイスクリームです。「時間もまだあるし、車窓を眺めながら(おしゃべりしながら)アイスクリームでも食べようかな」と考えるタイミングを見計らったようにやって来るので、ついつい触手が伸びてしまうのですね。人の心理を突いた良い作戦です。
これが自動販売機で買って乗車となると、のんびり駅弁タイムを楽しんでいると、いくらガチガチアイスクリームでも溶けてくるわけです。まして、ホームの自動販売機で買うということは、まだ乗車する前ということを意味します。こだわりのある人は、駅の売店で買えるビールでさえも、乗車前に買うとぬるまってしまうのを嫌い、わざわざ車内販売で買う、という人もいます。
普段からデザートは先派ならまったく問題はないと思いますが、甘いものは後という人が多いだろうことを考えると、「食べたいタイミングでガチガチアイスクリームを食べる」ことは難しいように思います。
何より、時間にも余裕がありリラックスしている状態だからこそ、あんな挑戦的にガチガチなスプーンすら入らないアイスクリームを、上にあたたかい缶コーヒーを乗せたり、手で包んで温めて溶かしてみたりとチマチマ時間を楽しむことができるのです。
じわじわ溶けるアイスクリームの味を想像しながら車窓に目をやり、隣の友人と「美味しいけどホントカッタいよね」とおしゃべりに花が咲くのではないでしょうか。
自動販売機で買って乗車する、がしっくりこない理由はここらへんにありそうです。
皆さんはいかがですか?
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