メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。
コラムでもしつこいくらい“認知”について書いていますが、今回はその認知を歪ませる要因について考えていきたいと思います。
認知とは限りなく平たく言えば、その人のものの受け止め方です。気質的な遺伝はともかく、生まれ落ちた時は誰もが価値観どころか認知など育まれていません。ということは、認知は先天的なものではなく、後天的要因によりその人の中で育まれていくものだと言えます。価値観ともよく似ていますね。
認知が偏る、歪んでいるとどのような生きづらさが生まれるのでしょうか。
【朝、社内で前から同僚が歩いて来たので挨拶をしたが無視された】 ○歪んだ認知 何か気に入らないことをしたかな?(不安) アイツ、無視しやがった!(不快/怒り) ○歪んでいない認知 何か考え事していて気づかなかったのかな? 声が小さくて聞こえなかったのかな? →不安や怒りといった感情は生まれない。 【パートナーからLINEの返事が来ない/電話に出ない】 ○歪んだ認知 何か気に入らないことを言ったかしたかな(不安)。 浮気してるに違いない(決めつけ)。 別れたがっているんじゃないか(思い込み)。 ○歪んでいない認知 スマホの近くにいないのかな。 手が離せない用事中かも。 仕事、忙しいのかな。 【人と会っている時に、その人がチラッと時計を見た】 ○歪んだ認知 私、何か気に障ることを言ったかな(不安)。 話してても楽しくないに違いない(想像の飛躍) 退屈で早く帰りたがってるんだ(決めつけ) ○歪んでいない認知 この後、用事があるのかな(時間大丈夫か聞いてみよう)。
受け取り方次第で気持ちや感情が違うのをおわかりいただけましたか?
発達障害特性/HSP/パーソナリティ障害なども関係してきますが、認知は生育環境/失敗経験や成功体験から積み重ねられ、その中に形作られていきます。
日常的に否定/抑圧が多く時には暴力。このようにアタッチメント不全になりやすい環境の中ではのびのびと生きられず健全な認知は育まれません。以前にもコラムで認知の歪みについて書いていますので、参考にしてみてください。
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流行りの毒親
精神的/肉体的/性的な虐待はもちろん「あなたのためを思って」「お母さん(お父さん)に任せておけば大丈夫」「お母さん(お父さん)の言うとおりにしなさいね」は耳障りよく聞こえても実は“押しつけ”“抑圧”がぎゅうぎゅうに詰まっています。
手取り足取り子供の面倒を見、危なくないように進む道をならす。障害など特別な配慮が必要な場合を除き、それらをやっていいのは小学校低学年までではないでしょうか。
次回は私が経験した実例を挙げながら、どれほど認知の歪みが本人の生きづらさはもちろん、周りを振り回すことになりかねないのかお話ししたいと思います。
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