セクシャルマイノリティーへの理解を深める【3/3】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

最終回となる今回は、LGBTQの『Q』になります。

複雑で一番理解が難しいと感じるであろう部分についてお話しようと思います。現実にあなたが出会う確率は低いか、知らないままだろうと思いますが、知識として知っておくと、SDGsが叫ばれている昨今において有益かもしれません。

『Q』はQueer(クィア)、Questioning(クエスチョニング)で、多様な性自認、性指向があります。前回、前々回をおさらいしつつ整理しましょう。

大きく分類すると、

身体的性別(sex:セックス)
身体的性別とは、生まれ持った性染色体、性線、性ホルモンや生殖器などの身体上の男女の区別。これはわかりやすいですね。

●社会的性別(gender:ジェンダー)
身体的性別に対し、文化的、社会的に形作られた“女らしさ”“男らしさ”の区別。宝塚歌劇団の世界を想像するとわかりやすいかもしれません。役者の身体的性別は全員女性ですが、役となると男役、女役とわかれますね。

●性自認(gender-identity:ジェンダーアイデンティティ)
自分が認識している自分自身の性別。心で感じている性と言えます。

●セクシャリティー(sexuality)
性指向、恋愛指向と考えるとわかりやすいです。

『Q』と呼ばれる中のクエスチョニングには、

性自認をどちらかに決めたくない人。
●どちらも持ち合わせている人。
●場面によりどちらかの性を行き来する人。
●まだどちらか決めかねている人。
●わからない、が一番しっくりくる人。

など、いろいろな人が含まれます。最初の4つの身体的性別、社会的性別、性自認、セクシャリティーを確定できない、確定したくない人々ということです。

また『Q』のクィアには、

Asexual:アセクシャル=他者に性的欲求や恋愛感情を持たないセクシャリティーを持つ人。
さらに分類すると、
▷“他者に性的魅力を感じない人”はアセクシャル。
▷“他者に恋愛感情を抱かない人”はアロマンティック。
▷“他者に恋愛感情を抱くが性的魅力は感じない人”はノンセクシャル。
と分けているようです。

Intersex】:インターセックス=身体的な構造が一般的な男性、女性どちらも一致しない状態の人になりますが、インターセックスという表現を使いたくないという人も増えてきたことから、DSD(性分化疾患)と表現されることが多くなりました。

Xgender】:エックスジェンダー=男性、女性どちらにも当てはまらないと感じている人や、性自認が男性、女性の間で揺れている人の性自認です。

Polyamory:ポリアモリー=関係者全員の合意の上で複数のパートナーと関係を持つ恋愛スタイルで、そこに性的関係がある場合も性的関係がない場合もあります。

日本では珍しい一夫多妻(二妻/日本は重婚が認められていないので、それぞれの女性と結婚→離婚されており、名字は同じでも戸籍上は独身)、実際に3人+子供達で暮らしている家族が九州にいますが、わかりやすいポリアモリーかもしれません。

合意の元、複数と関係を築くポリアモリーの反対が、一夫一婦のモノガミー(monogamy)で、ご存知のとおり、日本はこの恋愛スタイルや結婚スタイルが主流です。

こうして見ると、性自認から性指向に恋愛指向と多様であることがわかります。まだまだ多くの分類があるのですが、ザックリ大きく分けて説明してみました。人類の性は実に奥が深いですね。

本年もご愛読いただき、ありがとうございました。本年はこれで終了です。2020年はコロナで本当に大変な1年でした。多くの人々のメンタルにも甚大な影響を及ぼしました。来年は少しでもコロナ前のような生活に戻ることを祈るばかりです。

来年のコラムは1月10日日曜日から掲載を始めます。原則毎月5の倍数の日に掲載していきます。来年もよろしくお願いいたします。それでは良いお年を。

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