⚠︎:発達障害は先天的な脳の発達の偏りなので、親の躾や環境、また、本人のせいでもありません。発達障害をややこしくしているのは、無理解、無知からくる不適切な対応などでさまざまな神経症や精神疾患を併発したことによる二次障害といえます。
メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。
タイトルの『ASD孤立型重複なし』とは、長くお付き合いしている私のパートナーのことです。コラムにも時々書いていますが、数々の修羅場や私のカサンドラ沼を越えて安定した今があります。
今回は圧倒的少数派、レッドリスト“CITES1”(※)間違いなしの絶滅危惧種で、ドクターですら滅多に出会えない希少種『ASD孤立型重複なし』について、パトーナーを通じて深掘りしようと思います。
※CITES:ワシントン条約のことで附属書があり、そこには動植物や加工品、剥製が記載されている。付属書は1〜3まであり、1に記載された動植物などは、すでに絶滅の恐れがあるため 『取引禁止』とされている。
私自身、多くの発達障がいの方とお会いしていますが、パートナー以外で『ASD孤立型重複なし』と出会ったことはありません。書籍はもちろん、インターネットですら『ASD孤立型重複なし』について詳細に書いてあるものはごく僅かで、三つ組の特性は持ちながらも、その実態は謎のベールに包まれています。“アスペ受動型のダンナあるある”や“アスペ積極型の特徴”は、たくさんあるのに、です。
なぜ出会わないのか??
考えるに、パートナーの場合、知的に高くアスペでありながら、本人は過大なストレスを感じながらも、社会生活を送る上での高い擬態スキルが備わっていることが挙げられると思います。この高い擬態スキルにより、仕事など社会生活を送る上での困り感を解消し、ある程度適応できていると考えられます。実際にパートナー曰く、
「心が病むほど社会生活に別段困り感もないから、心療内科とかそれ関係の病院へ行くこともない。過去一度も行ったことがない。だいたい自分の思うとおりにならないのが世の常でしょ?」ということです。なるほど、だから出会わないのかと思いました。
そもそも『ASD孤立型重複なし』は人に興味・関心が極めて薄い(定型からは興味・関心がないに見える)ことに加え、他者とのバウンダリーが向こう岸が見えないくらい広く(アマゾン川くらい)、時間をかけてもおいそれホイホイと心を開いてくれません。
この点をなぜかと問うてみると、
「他者への姿勢は基本“性悪説”だから」
というユニークな返答でした(笑)
そもそも自分を理解してほしいとも、他者を理解しよう、したいという気持ちがありません。パートナー曰く、
「話したいとも仲良くなりたいとも思わないし、むしろ関わって来てほしくない。当然自分のことをわかってもらいたいなんて考えたことがない。だから当事者会みたいな場所に自ら進んで行くことはまずないし、行く必要性も感じない。知らない人がたくさんいるパーティーとかも苦手。」らしいです。
なかなかの徹底ぶりですが、他者に関心がないとはいえ、家族はもちろん、一部の自分に深い関わりがある信頼している人はいるようです(いるからといって、積極的に会いたいとはあまり思わないらしい)。それ以外の、いわゆる“真っ赤な他人”(通りすがり/行きがかり上、関わらなくてはいけない)に対しては、非情ともいえる無関心なのだそうです。人嫌い以前のところですね(笑)
その非情ともいえる無関心の度合いとは、人に道を聞かれる、観光地で写真を撮ってくれますか?と頼まれる程度のことが相当面倒で軽いストレスすら感じるようです。いわんやその逆、自分が人に道を聞く、人に写真を撮ってもらうなど論外で、自分から真っ赤な他人に関わりにいくなど、余程の事情でもない限り発想しないそうです。
とはいえ無関心で興味がないからといって、他者に失礼な態度を取ったり、暴言を吐いたりすることはまったくありませんし、むしろ義理堅く、とても律儀で礼儀正しい一面もあります。この点に問題はなく、むしろ極めて常識人です。ただ、
- 近寄り難く隙がない。
- 話しても答えるのみで返しがない。「ご出身は?」「東京です」で終わってしまう。
- 見た目がとにかく怖い(笑)←スーツ姿は会社員(カタギ)に見えない(笑)
これが初対面の人のパートナーに対する印象のようです。なんか最悪な印象ですよね(笑)
次回は【2】として、さらに『ASD孤立型重複なし』の実像を垣間見ていきたいと思います。
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