⚠︎:発達障害は先天的な脳の発達の偏りなので、親の躾や環境、また、本人のせいでもありません。発達障害をややこしくしているのは、無理解、無知からくる不適切な対応などでさまざまな神経症や精神疾患を併発したことによる二次障害といえます。
メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。
時として「ASDは攻撃的だ」と捉えられてしまうことがあります。
これは特性だけではなく、脳機能や本来その人が持っている気質も深く関係してくるので、一概に『ASD“だから”攻撃的』とは言い切れないということを注意した上で、さまざまな特性があるという側面からASDを理解すると何となくわかるかもしれません。
定型と言われる人たちと比べ、社会性/イマジネーション/コミュニケーションに弱さや違いがあるASDですが、独特のコミュニケーショスタイル以外にも多くの特性があります。
もちろんASDだからといって、皆が皆、同じ濃さで特性を持ち合わせているわけではなく、濃淡があります。これはASDに限らず、発達障害を考える上で重要なポイントです。
ある程度共通する特性としては、次に示すようなものがあります。『ある程度』というのは特性の濃淡により、強く出る特性とそうでない特性が人によってバラバラだからです。しかし、総じて次のような特性自体は持ち合わせていると言っていいでしょう。
思ったことをそのまま言ってしまう。 興味関心があることへの強い探究心。 空気を読むことが苦手。 急な予定変更や先の見通しが立ちづらいことに対し、強い不安・不快感情を持つ。 日常生活のルーティン化。 暗黙の了解や言語化されていないことを読み取ることが苦手。 他者の気持ちや感情を汲み取ったり、想像することが苦手。 マイルールが強い。 こだわりが強い。 (主に初対面の人との)雑談が苦手(特に意味のない雑談)。 気持ちの切り替えに時間を要し、ネガティブな感情をしばらく引きずる。 などなど。
これらの特性は意識的に見れば認識できることがありますが、目に見えないことが多いだけに、通常認識することは困難です。また、ADHDのように“忘れっぽい”“片付けられない”などとまったく違う特性も多くあります。
発達にアンバランスがあるとストレス耐性が低いためストレスを感じやすく、また、生きてきた中で否定されてきた過去からレジリエンス力(※)も低いので、リカバリーにも時間がかかります。切り替えが苦手な彼らはこの時間、とても苦しい(苦痛・不快・苦悶・無気力・絶望・自暴自棄などなど)時間を過ごしています。
※レジリエンス力:落ち込んだ後など、気持ちが乱れた後に立ち直る力。
次回はASDの脳機能や特性から考える、“なぜ感情コントロールが難しいのか?”をお話しします。
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