ウェルビーイング(Well-being)

メンタル・イデア・ラボ、AEのスミです。

今回は最近耳にするようになったウェルビーイングについて考えてみたいと思います。

ウェルビーイングという言葉は最近の言葉ではなく、実は1946年に発表されたWHO憲章からで、『健康とは完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病または病弱が存在しないことではない』と記されています。

1946年が第二次世界大戦が終わった翌年のことだと考えると、決して新しい言葉ではないと言えます。

WHO憲章の『健康とは完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病または病弱が存在しないことではない』という文言は、今の時代とても重要だと思っています。

昔から現在に至るまで日本社会全体が重視しているのは、WHO憲章のほんの最初の部分『健康とは完全な肉体』までのような気がしてなりません。日本の健康はまさに完全な肉体一辺倒れと言っていい状況です。健康診断は毎年、年2回企業から強制的に受けさせられています。ランニング、スポーツジム、サプリメント、健康食品などなど肉体を意識した商品やサービスで世の中は溢れています。

しかし、WHO憲章の途中から最後の部分『精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病または病弱が存在しないことではない』については、身体の健康診断のような仕組みや制度はないと言っても過言ではありません。さらにこの部分については、個人の問題として『タブー視』されていることが、社会的理解が進まない足かせになっているとさえ思えます。

自殺者はここ10年間は2万人台で推移しており、それまでは14年連続3万人台でした。さまざまな要因がありますが、ココロのケアやメンタルヘルスを保持するような仕組みや制度が存在し機能し、且つ社会からタブー視もされていなければ、『精神的及び社会的福祉の状態』の世の中となり、自殺者数はもっと少なく済んでいるかもしれないと思わざるを得ません。

私たちメンタル・イデア・ラボは、『健康とは単に肉体的なことだけではなく、ココロも健康であって初めて“健康な状態”である』と考えていますが、そのココロの健康部分については、未だ企業の中ではタブー視されていると実感しています。メンタルクリニックを受診すると、社会保険の関係で会社にわかってしまうことを恐れている人は大勢いると推察します。またメンタルクリニックを受診することすら精神的ハードルが高いと感じている人も大勢いると推察します。

会社の福利厚生は社員食堂、産休育休、リフレッシュ休暇などさまざまあります。これらも従業員のココロのケアあるいはメンタルヘルスに資することではあります。一方で人間関係に悩んだり、家庭や家族のことで悩んだりしている場合は、休暇などの福利厚生では対応できない種類のものだと思います。医務室はあっても学校の保健室のような、気軽に相談に行ける場所がないため、ずっとその悩みを抱え込むことになります。

メンタルヘルスやココロのケアの場合、最初から医務室ではなく、その前段階である、保健室のような気軽に相談できる場所がこれからの福利厚生には必要ではないかと思っています。

私たちメンタル・イデア・ラボはその会社の保健室となり、心理士という専門家が従業員ひとりひとりの悩みを丁寧に聞き取りながら、その人その人に合ったセッションやカウンセリングをおこないます。必要と判断した場合のみ精神科やメンタルクリニックといった医療機関の受診を勧める、というやり方をしています。

特に職場の人間関係で悩みが多い企業の場合、コミュニケーションスタイルが改善されなければ、いつまでも職場の人間関係で悩む従業員が絶えず、結果離職率も一定水準から下がらない状態が続くことになります。企業としては生産性の観点からも非常に憂慮すべきことです。賃金を上げることは短期的には離職に歯止めをかけることはできますが一過性に過ぎない対処療法です。

従業員の離職率低下と求める人財の採用と定着を考えた時、従業員へのココロのケアやメンタルヘルスを目的とした福利厚生に注力することが求められるのではないでしょうか。それにはタブー視しない組織であることが最も重要であると思います。

メンタル・イデア・ラボは経営陣をはじめ従業員を含めた“組織の健康というウェルビーイングに貢献”しています。

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