メンタルを弱らせるもの

メンタル・イデア・ラボ、AEのスミです。

私はたまに、特に何かあったわけでもないのに、急にメンタルが弱ることがあります。

私が言うメンタルが弱るとは、ネガティブ思考になっていくことです。『病む』とはちょっと違います。ただ進行すると『病む』ほうへ行くというか、落ちるというか、そんな状態に陥りやすくなると思います。

そういう意味では、メンタルが弱るとはメンタルが病む前兆なのかもしれません。

何がそうさせているのか?

メンタルが弱っている時、努めて冷静になぜ弱っているのかを考えてみました。最初は具体的に何かあったか、そのキッカケとなる出来事を振り返りました。しかし、メンタルが弱るほどの出来事で思い当たることはありません。

では一体この状態にさせているのは何なんだろう?

そして、過去の時も含めて振り返って考えてみました。すると、ある共通点に気づきました。それは『疲れている』時にメンタルが弱ってくる傾向にあるな、ということです。

疲れている、だけではメンタルが弱すぎると思われる読者もいると思いますが、私はその『疲れ』の種類に注目しました。

疲れにも、さまざまな種類があります。例えば、ランニングなど運動をした後の気持ちいい疲れ、仲のよい仲間と飲んだ後の楽しい疲れ、恋人と旅行へ行った時の心地よい疲れ、仕事で失敗してしまった日の重い疲れ、友人と喧嘩してしまった後の苦々しい疲れ、などなど疲れにも種類があります。普段はそんな疲れの種類を考えていない人が多いと思いますが、言われてみれば何となくわかると思います。

それで、メンタルを弱らせる疲れは一体どんな種類の疲れなのか、ということですが、私の場合、『充実感がないことが続いた時の疲れ』でした。一体いつまで続くのか?終わりがあるのか?先が見えない状況への焦燥感と相まって、充実感を感じない日々が続いた時、ふと生きていることに対する疲れの感覚が、黒い雨雲のように立ち込めてくるのです。

充実感がないことが続くとメンタルは弱りやすい、ということに気づきました。

たまたま今日は充実感がなかった、だけではメンタルは弱りません。続いているかがポイントです。特にコロナ禍で制限がかかり在宅の日々が多かった時、コロナ前と同じように充実感を感じながら過ごせてきたでしょうか。店を開いても客が来ない日が続いた時、在宅が増え夫婦仲の雲行きが怪しい日が続いた時、学生なら学校へも行けずアルバイトもできず、なんとなくモヤモヤ悶々とする日が続いた時、など、読者の中にも思い当たる人がいるかもしれません。

あるいは生活のためだけに働く日々、何をやっても上手くいかない日々、夫あるいは妻から文句ばかり言われる日々、などそういう充実感とは真逆のことが続くとメンタルは蝕われ、弱っていくのではないかという結論に行きつきました。

メンタルを弱らせる正体は、充実感なき日々の連続、が私の出した解です。

そうであるなら充実感を感じられるようにすればいい、と思うかもしれませんが、現実というか現状を変えるのは簡単ではありません。例えば生活のためだけに働いている場合、その仕事を簡単に辞められるでしょうか?その後の生活は?と考えた時、簡単には辞められないのが現実です。年齢が中年にもなると再就職先は難しくなるし、給料も今より減りかねない。いろいろな不安要素が頭を巡ります。

対策と言うと大袈裟ですが、本城が書いた前回のコラムがヒントになるかもしれません。

“あるがままを受容する”

です。それでメンタルが弱らなくなるわけではありませんが、少なくとも弱っていることを自覚でき受容することで、気持ちが一旦は冷静になることがあります。私は「疲れるな、んー、なんだかメンタル(気持ち)が弱ってきてるな」と心の中で呟きます。そしてその気持ちに抗おうとはせず、どうにかしようとも考えず淡々と過ごすことに徹します。

明日は(次の休みは)、ちょっと大好物の〇〇を食べよう、など充実感のない日々を頑張っている今の自分に対して、ご褒美のようなことを考えられるくらいにはなります。実際私はそうです。明日は休みだから昼飯はお気に入りの町中華屋へ行って、餃子をつまみながらビールでも飲もうかな、といった具合です。そしたら明日が少し楽しみになり、経験的にメンタルの弱りの進行を食い止めることができます。

私は『メンタルが弱ってきたな』と思ったら、上記のように明日できる些細な楽しみを具体的に計画することを心がけています。

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メンタルと三大欲求の関係性:メンタルヘルスマネジメント

メンタル・イデア・ラボを運営する代表のスミです。今回は本城に代わり、私が寄稿します。今後もたまに寄稿することがあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

今回はメンタルと三大欲求の関係性から

メンタルヘルスマネジメント

について自分の体験を踏まえた私見を書きたいと思います。

その前にここでの三大欲求を定義します。人によって食欲、睡眠欲、所属欲などいろいろ言われているようですが、ここでは日本で一般に言われている【食欲】【睡眠欲】【性欲】を三大欲求とします。三大欲求という表現は日本独自のようです。また宗教によってもさまざまな欲求が唱えられています。欲求といっても意外といろいろあるものだなと思いました。

さて本題です。メンタルが不調になると三大欲求のどれか、あるいはすべてに影響が表れた経験はないですか?私はメンタルの不調の度合いによって三大欲求に何らかの影響が表れます。

私の場合、男性だからか最初に性欲に影響が出ます。性欲が無くなるというと語弊がありますが、著しく減退するという感じでしょうか。そして異性に興味を持つことが極めて薄くなります。一般に男性は女性より性欲を司る脳の視床下部は2倍大きく、テストステロンというホルモンの分泌量は女性より10〜20倍多いと言われています。そう考えると身体としての機能が備わっているにもかかわらず、著しく性欲が減退する、異性への興味が薄くなるということは

個人的に男性(雄)として危機的状態

にあるのではないか?と思ってしまいます。

メンタルヘルスの不調がさらに深刻化すると、私は不眠状態になります。そうは言っても眠ることは眠るのですが、寝付きがものすごく悪くなり、明け方になってようやく眠りに就くも睡眠時間はとてつもなく短く、程なくして目覚めてしまいます。普段の寝付きは1分〜2分以内なので、明け方まで眠くならない、睡魔が来たとしてもすぐに目覚めてしまうことが連日続くと、日中は無気力な状態で、夜は極度な焦燥感に襲われました。

生命力が衰弱していく感覚

すら覚えました。

その時は『さすがに睡眠薬に頼ろうか』とも思いましたが、睡眠薬なしでは眠れなくなることが怖くて我慢しました。

食欲については幸い不振になった記憶はありません。ここ15年ぐらい、一日一食ということもあるのかもしれませんが、食欲不振になるのは風邪を患った時ぐらいです。ただ、料理を味わい幸福感を得るという人間的、文化的な食事というより、単に何か食べるだけの原始的な行為だった気がします。メンタルヘルスの不調により、人によっては過食症や拒食症になるとか・・・。

以上のことから私は、メンタルの不調と三大欲求のいずれかは密接に関係していると実感しました。その表れ方については人それぞれだと思います。またメンタルの不調の度合いや深刻度によっても程度に差が出ることでしょう。私も私なりにその時はかなりしんどかったです。しかし病院を受診するとか専門家に相談するという発想は浮かびませんでした。今思えば理由は二つありました。一つは私にとってそれらは、

まったく身近な存在ではなかった

一つは、

相談機関の存在を知らなかった

ということです。ただ一人で耐えるしかないこと、と思い込んでいました。

このメンタルヘルスと三大欲求の関係性を体感したことから、身体にまで悪影響が表れること、それはつまり社会生活に悪影響が出ることを痛感しました。そう考えた時、メンタルヘルスは

自分らしく生きるための根源

ではないだろうか、と思うようになりました。もっと自分のメンタルに身体同等に意識を向け、自分自身のメンタルの状態を確認し把握することが重要だと気付きました。それは

大切に自分を生きること

になるのでは、と思うのです。

そのためには体調不良の時に薬を服用したり、休養をとったり、あるいは栄養のあるものを食べたりするのと同様に、メンタルヘルスを意識し、戦略的に予防したり、労ったり、しなやかさを保つコツだったりなど、自分に合った心的栄養補給や心的健康管理を実践する

メンタルヘルスマネジメント

が肝心ではないかと思うのです。ここまで考えると、もはや科学的根拠のない今までの我流では不安なので、やはり心理士のような専門家の力を借り、そうした予防技術や手法、心的習慣を享受したほうが安全で安心ではないかと思うのです。身体でいうところの健康診断のようなイメージでしょうか。

趣味に没頭する、親しい人と話す、美味しいものを食べる、カラオケをするなどは、日常の一時的なストレスの発散にはなるかもしれませんが、自分のメンタルと意識的に向き合い、マネジメントすることとはニュアンスが違うと思います。

クオリティ・オブ・ライフやワーク・ライフ・バランスという概念が盛んに言われていますが、それを可能にする土台となるのは、

ボディ&メンタルヘルス(心身共に健康)

ではないでしょうか。当然といえば当然ですが、メンタルヘルスの体制は現状とても脆弱に過ぎると思って止みません。特に国や企業としての取り組みはOECD加盟国の中で日本は十数年遅れています。その証左として、メンタルヘルスの不調による経済的損失は日本全体で2.7兆円にもなるそうです。

働き方が多様化、複雑化する中で、メンタルのセーフティネットとして、心理士などいよいよメンタルの専門家による

【科学に基づいた予防的メンタルケア体制】

の充実が社会全体に必要な時期にきていると、素人ながらに思うのです。

精神科医や心療内科医は何らかの疾患を発症し、それを治療する専門家であって、セーフティネットとしての専門家とは違う気がします。

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緊急寄稿:新型コロナウイルスによるメンタルリスク

メンタル・イデア・ラボの代表を務めるスミです。

新型コロナウイルスの影響により、当初は首都圏や関西、福岡に緊急事態宣言が出され、今や全国に緊急事態宣言が出されるに至りました。生活が一変し、日常とは違う生活を強いられていることだろうと思います。一応来月6日までということですが、それで済むかいえば甚だ疑問です。

英国では以前より緊急事態宣言が出されており、そこで静かに社会問題化しているのがDVであることが報道されていました。恐らく虐待も増加していると想像します。

経済的に苦しくなり、徐々にメンタルが不安定になっていった結果、DVや虐待が誰の身にも起き得るということを理解しておくことが大切です。最悪の場合、離婚に発展することもあるようです。『コロナ離婚』という言葉も既に耳にします。

夫の収入が不安定になり(あるいは無くなり)、生活が維持できなくなるのではないか、これからどう生活していけばいいのか、という極度な不安がメンタルを追い詰め、DV、虐待という形で顕れることがあります。それが酷くなれば、当然一緒に生活できないとなり、離婚へ至る夫婦もあるようです。

2019年8月19日のコラムで、弊社の心理士である本城がモラルハラスメントについて書いていますので、それと合わせて読まれることをお勧めします。というのも、今の社会的・経済的不安定の状況にこそ、モラルハラスメントが顕在化し、横行し、今まで他人事だと思っていたことが突如自分の身に起きる可能性が高まるからです。

世間全体が今、我慢を強いられています。テレワーク、在宅勤務ができている人で、収入面でもそれほど心配ではなくても、夫婦関係、親子関係は別であることは肝に命じておくとよいと思います。外出自粛も相まって四六時中一緒に居れば、家庭でも多少の差はあれ、イライラが溜まってくるものです。子供も学校は休校状態であり、子供の面倒を見ながらの在宅勤務、テレワークなど、やはり心理的負担は大きいはずです。

そんな状態が毎日続くわけですから、当然イライラが溜まり、時として心にもなく、“つい”キツい言葉が出てしまうかもしれません。そこからゆっくりと気持ちのスレ違いのようなことが進行し、知らず知らずのうちに溝が出来てしまう、ことになりかねないのです。

収入面での心配が生じてしまっている場合は、よりメンタルを直撃し深刻になりやすくなります。私もリーマンショックの時などは本当に辛かったし、今思えば軽い鬱になっていたのではないかと思うくらいです。しかし今回は、それを上回る規模で景気が急速に後退しつつあります。行政機関からの休業要請もあり、支援金などの制度を活用したところで再開の目処が立たないうちは、不安はまったく払拭されません。このような状況で

どうメンタルを保てばいいのか?

これは経済的な問題と同時に重要な問題です。経済的な問題は死活問題ですから、同時にダイレクトにメンタルにも影響してきます。私がリーマンショックの時に感じた、重苦しく不安しかないメンタル状態にならないために、メンタルをいかに保って難局を乗り越えていくかが、今、最も重要なもうひとつのテーマです。

しかし『これ!』という方法はありません。ただ不安に呑み込まれないようにすることが肝要です。そのためには、

今の自分の現状を受け入れること

出来ることから行動すること(今なら行政機関の支援制度を調べ行動するなど)、

そして親など身内、知人、友人と相談も含めた世間話すること

です。これを【意識的に】おこなうことです。【意識的に】がミソです。この時、心配をかけたくないとか、見栄、羞恥心は最大の敵になるので、そういう類の感情は早く捨てたほうがいいと思われます。社会全体が有事なのですから、ヘンにカッコ付けるのは危険です。社会全体が有事だからこそ、むしろ共感が得られやすいかもしれません。

共感できる人や共感し合える人がいることは、メンタルにとって非常に重要なことです。

どうか共感し合える人を一人でもいいので見つけてほしいと思います。決して独りで抱え込まないことが肝要です。

このように、自分ができる小さなことを行動に移すことで、不安に呑み込まれにくくなります。ただし、不安が解消されるわけではないことに注意してください。不安に呑み込まれにくくなることで、少しずつ出来ることが見えてきたり、夫婦や恋人との会話であれば、思わず前向きな言葉が出てくるかもしれません。こういう時、夫婦や恋人は戦友のように共に励まし、助け合う関係になり、絆がさらに深まる機会でもあります。単身であれば仲間同士で励まし合い、信頼関係が一層深まる機会でもあります。つまり、こういう時は

孤立化しないこと

が重要です。孤立化しなければ、メンタルが不安に呑み込まれにくくなり、深刻な状態に至らない予防になり得ます。

今、新型コロナウイルスに感染しないことが最も重要なことですが、次に重要なのは、意外と見落としがちな【メンタルをいかに保つか?】です。今こそ自分のメンタルのしなやかさが問われています。

メンタルは不安に駆られているうちに壊れていきます。メンタルが壊れてしまっては、出来ることすらする気がなくなります。つまり気力が奪われます。さらに心がささくれ立ち、今まで築き上げた人間関係すら壊してしまうことになりかねません。

この度のことは長期戦が予想されます。この長期戦を乗り越えるには、

自らのメンタルに目を向け、気力を奪われないように、メンタルを自己管理すること

が重要です。

その方法のヒントについては、以前の本コラムに本城が書いていますので参考までに記載しておきます。

2020年1月15日コラム

2019年11月20日コラム

2019年11月15日コラム

2019年10月31日コラム

2019年9月21日コラム

上記以外にもヒントになるコラムがあるかもしれません。どうぞ参考にしてみてください。

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