メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。
子供の虐待が報告される中で、【代理ミュンヒハウゼン症候群】という言葉が聞かれるようになってきました。
わかりやすくいうと、代理ミュンヒハウゼン症候群とは“子供を故意に病気にしたり怪我をさせ、甲斐甲斐しく世話(看護看病)する自分を装い、同情(注目)を引こうとする虚偽性障害”という精神疾患の一種です。
今回はこの代理ミュンヒハウゼン症候群について2回に分けて書こうと思います。
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この『代理』の部分ですが、なぜ代理と言うのでしょうか?
詐病のように自分が病気や怪我のフリをするのではなく、多くは乳幼児の我が子に“病気である自分(詐病)の役代わり”をさせるので“自分の代理”という意味で使われます。そのほとんどが母親によるものです。
わざわざ我が子を病気にしたり怪我をさせる親などいるのか?と思いますよね。
正常な精神状態の親ならあり得ないことですが、無意識に自らが病気の子供を献身的に世話する母親というアイデンティティを求めていたり、歪んだ承認欲求などが関係し代理ミュンヒハウゼン症候群として表れます。
健康な我が子をわざわざ傷つけ不健康な状態を作り出す、これが代理ミュンヒハウゼン症候群です。
以前、入院している子供の尿に自分の血液を混ぜた母親がいました。当然病院では検査をし、原因を突き止めようとしますし治療をおこないます。しかし、誰もが「親がまさかそんなことをするわけがない」というバイアスがあり、なかなか見抜けなかったのです。
「大切な子供をわざわざ傷つける親がいるわけがない」このバイアスが代理ミュンヒハウゼン症候群を見抜きづらくしているともいえます。
実際、代理ミュンヒハウゼン症候群の母親は献身的に世話をするケースが多く、“病気の子供を必死に支える健気な母親”像に映ります。これが落とし穴になります。
自分から声を上げられる年齢にない乳幼児は生活の100%を親(主に母親)に依存しています。
ミルクをわざわざ不衛生なお湯で溶き、下痢をさせる。
沐浴時にわざと強い洗剤を使い、皮膚を荒れさせる。
以上のような報告が実際にあります。明らかに虐待ですし、実際はもっと重篤な状態に陥ってしまった子供もいます。
次回は代理ミュンヒハウゼン症候群が疑われる場合のポイントからお話しします。
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