セクシャルマイノリティーへの理解を深める【2/3】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

LGBTQのLGBは、“性的指向”の三要素であり、トランスジェンダーやトランスセクシャルの『T』は“性自認”により決定されるものです。

改めて整理してみましょう。

  • 性的指向→どんな性別の人を好きになるか。
  • 性自認→自分の性をどう認識しているか。

マジョリティーでは、性自認(気持ち/心の性)が女性の場合、身体の性も女性。性自認が男性の場合、身体の性も男性と言われています。

上記が一致していても、

性的指向(性的対象)がマジョリティーではない、または、身体の性と性自認(心の性)が一致せず違和感を持つ人がLGBTに該当します。

この先なるべくわかりやすく、私が自分(女性)とパートナー(男性)を例にさまざまなパターンを考えてみましょう。現実の私とパートナーは次のようになります。

【私】身体:女性性自認:女性
▷性指向:女性・男性→両性なのでバイセクシャルということでセクシャルマイノリティー。

※これが、男性/女性だけでなくトランスセクシャルやトランスジェンダー、Xジェンダーなど、まだまだある性自認の人たちすべてが性指向となる人のことを“全人愛”<バンセクシャル>と呼びます。
【パートナー】身体:男性性自認:男性
▷性指向:女性→セクシャルマジョリティー。

※医学的性別(身体の性)、性自認が一致していることをシスジェンダーと呼び、異性愛者をヘテロセクシャルと呼び、これが一般的にセクシャルマジョリティーと言われていて、パートナーはそのまんまセクシャルマジョリティーですね。

それではさまざまなパターンを例として列挙してみます。

【私】身体:女性/性自認:男性
【パートナー】身体:男性性自認:男性
▷私の身体の性が女性でも、性自認が男性でパートナーが性自認・身体共に男性の場合、私は“男性として男性が好き”なので『ゲイ』になります。

一般的な男女のカップルに見えても、実はゲイカップル、ということになります。
【私】身体:女性性自認:女性
【パートナー】身体:男性性自認:女性
▷パートナーの身体が男性であっても、性自認が女性で性指向も女性の場合、身体・性自認共に女性である私を好きなのでレズビアンになります。

一般的な男女のカップルに見えても、実はレズビアンカップル、ということになります。

大丈夫ですか?こんがらがってませんか?

また、身体の性が私(女性)、パートナー(男性)であっても、私たちの性自認が私(男性)、パートナー(女性)である場合、FTMヘテロセクシャルが私で、MTFヘテロセクシャルがパートナーということになります。

※FTM:フィメール・トゥ・メールの略(女性の身体でありながら性自認は男性)

※MTF:メール・トゥ・フィメールの略(男性の身体でありながら性自認は女性)

図で表すと以下のようになります。

一度パートナーに聞いたことがあります。「黙っててごめん。私、見た目は女だけど、実は心は男で、男として男のあなたが好きなんだ、って言ったらどうする?」と。

こんがらがっていました(笑)その後に「ゲイやレズビアンは当然認めてるけど、自分事となるとオレはノンケ(ヘテロセクシャル)だから、パートナーには身体はもちろん、性自認も女性の人に、オレのことは男性として愛してほしい・・・かな」ということでした。

最終回となる次回は、さまざまな性自認、性指向ということでLGBTQの『Q』部分についてお話しようと思います。

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セクシャルマイノリティーへの理解を深める【1/3】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

個性的であることより協調性があることを幼少期より求められ、出る杭(個性的、少数派)は打たれやすく、異端(?)と思われると差別や偏見、排除の対象として弾かれやすいのが日本ではないか?と感じているのは私だけではないと思います。

今回は多様性を叫びながら、なかなか理解が進まないセクシャルマイノリティーについてお話しようと思います。

私の周りにはパートナーを始め、マイノリティーと言われる人も多く、当然セクシャルマイノリティーの友人も多くいます。LGBTQという表現が社会認知されてから随分経ちますが、言葉だけが先歩きして本当に理解できている人はひと握り、わかるようなわからないような・・・が現実ではないでしょうか。

今回から3回にわたり、性の多様性を理解する上で避けられないさまざまな【性自認】【性指向】についてお話したいと思います。

  • 身体的性と自認する性別が一致している。
  • 異性愛(男性×女性)。

をセクシャルマジョリティーと考えるならば、それ以外のすべてがセクシャルマイノリティーになります。

誰もが最初に思い浮かべるのが“同性愛”だと思いますが、本来、男女の関係なく同性愛者は“ゲイ”と呼ばれますが、わかりやすくするために女性の同性愛者を“レズビアン”、男性の同性愛者を“ゲイ”と呼んでいます。

LGBTQはレズビアンの『L』、Gはゲイの『G』です。Bはバイセクシャルの『B』、Tは身体的性と性自認が一致しないトランスジェンダー(トランスセクシャル)の『T』、Qはクエスチョニング、クィアの『Q』、となります。

間違って理解している人も多いようですが、バイセクシャル=異性とも同性とも“肉体関係を持てる人”、ではありません。肉体関係を伴わなくとも恋愛関係は成立するので、肉体関係云々は関係なく、異性も同性も“同じように恋愛対象になる人”のことをバイセクシャルと言います。

たまたま酔った勢いや好奇心から「あたし、女の子とエッチしちゃった!キャハ!」はバイセクシャルではありませんし、学生のノリで女子が「(同性の)友達とキスしちゃったもんね」も、バイセクシャルやレズビアンではありません。

なぜLGBTからLGBTQという表記になっていったかというと、

自分の性自認や性指向を決めたくない。
●まだ定まっていない。
●どのセクシャリティにも違和感がある。

・・・というクエスチョニングのQと、数多いセクシャルマイノリティーの総称として使われるクィアを追加したことによります。

実は以前、このクィアという表現はダイレクトに“変態”のような意味で差別的に使われていたのですが、多様性が叫ばれる中、近年は良い意味での開き直り(?)のように使われているようです。

▷性自認が女性で性指向が女性である人をレズビアン。
性自認が男性で性指向が男性である人をゲイ。
●性自認が女性(男性)で性指向が自分と異なる性の人をヘテロセクシャル←セクシャルマジョリティー。
身体的性が女性で性自認が男性である人をトランスジェンダーFTM(フィメール・トゥ・メール)。
身体的性が男性で性自認が女性である人をトランスジェンダーMTF(メール・トゥ・フィメール)。

となりますが、ややこしいことに、身体的性は男性<見た目が男性、中性っぽい、性別再適合手術(SRS)を受けていない、でも“その人の性自認が女性”で、それに加え、性指向が女性の場合、見た目が男性であってもレズビアン(MTFレズビアン)>になるのです。

性自認とは、

自分が自覚している性別(「私は男(女)である」ということ)

性指向とは、

性自認とは関係なく誰が性愛対象になっているか、

になります。間違いなくこんがらがるので、次回はそれらをわかりやすく整理してみます。

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